Windows 10 EnterpriseでのRemoteFX USBデバイスリダイレクト利用例(iPhone Ethernet/USB無線LAN子機編)他

2015年11月12日にWindows 10 Enterprise Build 10586がリリースされました。
Windows 10系のInsider Preview版としてはWindows 10 Pro Insider PreviewとWindows 10 Home Insider Previewがありました。
そのWindows 10 Pro/Home Insider Preview Build 10586というのはWindows 10 Pro/Homeのメジャーアップデート版でそのBuild 10586のEnterprise エディションの90日間評価版が利用可能となりました。
Enterprise エディションはPro エディションに比べてデータ保護機能が強化されています。
Windows 10 EnterpriseはWindows Server 2012 R2やHyper-V Server 2012 R2環境での仮想マシンのゲストOSとして動作しますがWindows 10系でRemoteFX USBデバイスリダイレクトが使用可能な唯一のエディションです。
ここ数年の間にポケットWi-Fiルータなどと呼ばれるものが急速に普及しており、iPhoneもポケットWi-Fiルータとして利用可能です。
PCからiPhone経由(iPhoneの「インターネット共有:オン」状態)でインターネット接続する形態は様々あります。
例;

Hyper-V Server 2012 R2環境でWindows 10 EnterpriseをゲストOSとする仮想マシンではRemoteFX USBデバイスリダイレクトを使用して上記の「PC(実際には仮想マシン)とiPhoneをUSBライトニングケーブルで接続してインターネットアクセスする形態」が確実に使用可能となります。

以下に仮想マシンからRemoteFX USBデバイスリダイレクトを使用してApple Mobile Device Ethernetを動作させる手順とUSB無線LAN子機の使用例を紹介致します。
更にWindows 10 Enterprise Build 10586のWindows To Goワークスペースの作成とそのWindows To GoワークスペースのWindowsタブレットでの利用例についても簡単に紹介致します。
今回使用したPC/iPhoneのハードウェア/ソフトウェア構成は以下の通りです。

■ 仮想マシンからRemoteFX USBデバイスリダイレクトを使用してApple Mobile Device Ethernetを動作させる手順例(その1)

  1. Windows 10 Enterprise Build 10586(64ビット版)をゲストOSとする仮想マシン定義
    (1)仮想マシン名:HVSW10IPEnt
    (2)世代:第1世代
    (3)起動メモリ:2048MB
    (4)接続:仮想スイッチ1(外部接続)
    (5)仮想ハードディスクの新規作成:HVSW10IPEnt.vhdx(127GB)
    (6)[後でオペレーティングシステムをインストールする]:on
    (7)HVSW10IPEntの「設定」
    ・インストールメディアのDVDイメージ:10586.0.151029-1700.TH2_RELEASE_CLIENTENTERPRISEEVAL_OEMRET_X64FRE_JA-JP.ISO

  2. 仮想マシン(HVSW10IPEnt)へのWindows 10 Enterpriseのクリーンインストール
    Windows 10 Enterpriseのインストールの流れは以下のようになります。

  3. RemoteFX USBデバイスリダイレクトによるiPhone経由でのインターネット接続

  4. 32ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586の仮想マシンでのApple Mobile Device Ethernet利用
    上記は64ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586でのApple Mobile Device Ethernet利用例でしたが32ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586についても同じようにRemoteFX USBデバイスリダイレクトを使用してiPhoneをApple Mobile Device Ethernetとして利用できます。
    (1)32ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586の仮想マシン名:HVSW10Entx86
    (2)HVSW10Entx86への32ビット版Windows 10 Enterprise Build 10586のインストール
    (3)ゲストOSインストール後にHyper-V管理ツールの導入もしてみました。
    (4)RemoteFX USBデバイスリダイレクトによるiPhone経由でのインターネット接続

■ USB無線LAN子機のRemoteFX USBデバイスリダイレクト可否確認

USB無線LAN子機としては多種多様な製品が市販されていますが今回はWindows 10対応のELECOM WDC-300SU2S(2.4GHz対応)/ELECOM WDC-433SU2M2(5GHz専用)及びBUFFALO WI-U2-300DについてRemoteFX USBデバイスリダイレクト可否確認を実施してみました。
結果は次のようになりました。
■ 閑話休題(1):Windows 10 Enterpriseへの日本語版RSATの導入

2015年11月19日にWindows 10用の「リモートサーバー管理ツール(RSAT:Remote Server Administration Tool)ver 1.1」の日本語版を含む各国語版が公開されました。
Windows 10 Pro Insider Preview Build 10565にはその日本語版RSAT ver 1.1は導入できませんでした(インストール自体は完了してもどこにもservermanager.exeが見当たりません)。
しかしWindows 10 Enterprise Build 10586にはその日本語版RSAT ver 1.1を導入して利用可能です。


■ 閑話休題(2):Windows 10 EnterpriseのWindows To GoワークスペースのWindowsタブレットでの利用例

Windows 10 Enterpriseの実機でUSBメモリ(32GB)にWindows 10 EnterpriseのWindows To Goワークスペースを作成してそのWindows To GoワークスペースをWindowsタブレットで利用してみました。
あまりテクニカル的なことはないのでスクリーンショットの紹介に留めておきます。